2003年6月6日発売（elf）
常軌を逸した恐怖と絶望が味わえるアドベンチャー
「河原崎家（かわらざきけ）の一族2」は2003年6月にエルフからWindows対応ゲームとして発売されました。
このゲームは、主人公の優馬（ゆうま）の行動によって展開が異なってくるアドベンチャーゲームです。
2009年にリリースされた今回の「河原崎家の一族2 完全版」ではアニメーションや発売当時のファンクラブ会員専用のミニゲームが搭載されています。
河原崎家の一族2のストーリー
田舎の人里離れた山奥に建つ河原崎家（かわらざきけ）の当主・縄綱（なわつな）は、数人の使用人とともに住んでいた。
そして縄綱が64歳の誕生日を迎えるその日、彼の養子の3人が呼び出されその一人である杏奈（あんな）は恋人である主人公の優馬（ゆうま）とともに河原崎家を訪れた。
どこか不気味な雰囲気が漂う広い館内。
それはドス黒い陰謀が渦巻く序章となることを示唆しているのだった。
河原崎家の一族2のキャラクター
杏奈（あんな）
優馬の恋人で縄綱の養子の1人。
優しい性格で付き合って半年の優馬には非常に好意を抱いている。
河原崎 縄綱（かわらざき なわつな）
河原崎家当主で一代で財を築き上げたが現在は落ちぶれ使用人とともに暮らしている。
今回、ある目的を持って養子たちを呼び寄せた。
鈴音（すずね）
河原崎家に仕えるメイドの1人で父親の借金の肩代わりとして河原崎家で働いている。
常に何かにおびえている様子が屋敷内の見えない闇を匂わせる。
この他にも杏奈と同じ縄綱の養子である智樹（ともき）とその妹の真樹（まき）や数名が登場し、優馬と深く関わってきます。
河原崎家の一族2のシステム
このゲームは出現する行動を選択して進めていくコマンド選択式のアドベンチャーゲームです。
選択肢は膨大な数があり、いずれか選択することでまるで異なった展開が繰り広げられます。
分岐は複雑ですがゲームの進行はルートマップに刻まれるので自分がどの位置にいるか常に把握できます。
さらにセーブは100か所もできるので、分岐時にセーブして進んだ後に行き詰まったら任意のセーブデータに戻って別のルートに進むことで新たな道が切り開かれることもあります。
なお、各セーブデータは内容を入力したりロードしなくても回想で確認することもできます。
時には危機的状況に陥ることも…。
このゲームは複数のバッドエンドにたどり着くこともありますが問題はありません。
何度も何度も理不尽で想像を絶する恐怖を体験しながら、過去に戻って様々なルートを渡り歩きエンディングを目指すことになります。
なお、今回ご紹介している「完全版」では一部のシーンではアニメーションやおまけのミニゲームが追加されています。
※このゲームは18禁です。
河原崎家の一族2の感想
| 項目 | 評価（5点満点） |
|---|---|
| システム | ★★★★ |
| 熱中性 | ★★★★ |
| キャラクター | ★★★★★ |
| 音楽 | ★★★ |
| 難易度のバランス | ★★ |
このゲームはアダルトゲームではあるのですが女の子は5人しか登場せず決して多いとは言えません。
ただ、それぞれタイプが異なり閲覧できるCGのシチュエーションやプレイ内容がとにかく豊富なので不足には感じないかと思います。
しかも男性キャラも含め、本当に一人一人キャラが立っていてそれぞれの視点や性格でゲームの世界を盛り上げてくれてます。
システム面に関してですが、この時代までくらいのアドベンチャーゲームはコマンド総当たりなどをしていけば時間はかかるけどクリアができないという作品はあまりなかったかと思います。
ただ、この作品は同じエルフの「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」やおやぢシリーズの「遺作（いさく）」「臭作（しゅうさく）」「鬼作（きさく）」などに近いシステムで同様の難しさがあります。
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO（PC98版、PS4版）
失踪した父親を探すために主人公のたくやはリフレクターデバイスを駆使し、並列世界を駆け巡ります。
独自のA.D.M.Sで行動や選択によりストーリーが分岐するアドベンチャーです。
そして2019年4月にはテレビアニメがスタートしました。(19/04/03)
【記事を読む】
個人的に上記のどの作品よりもさらに難易度が高いと感じました。
膨大にあるコマンドの分岐については初回ではまず正解がわかならいので仕方ありません。
様々なルートを渡り歩き、重要なイベントに遭遇したりバッドエンドを迎えた後に過去に戻って新たな道を切り開く流れとなります。
時には5か所くらい移動できる場所を正しい順番で進まないと新たな展開へのフラグが立たないなどちょっとしんどくなるようなところがあったりします。
この辺りはやや意地悪にも感じますが、極論を言えばすべてのルートを埋め尽くすつもりで何度もやり直せばクリアはできると思います。
（悩むのはどうやって分岐の方に行けるのか、ですが…。）
そのためには100か所できるセーブデータをフル活用して状況をメモしておくことも大事です。（入力可能）
ただ、ちょっと勘違いしやすいのが既読スキップの機能。
一般的なゲームでは既に読んだ文章なら二度目以降は高速スキップされることで「以前に読んでた」と理解できるのですが、このゲームでは同じテキストでもルートが違えば「新たなテキスト」として認識されるのでスキップされません。
実際に弊害があるかというと個人差はありますが、別々のルートから合流した後でこういったことが頻繁にでてきます。
最初から正しいルートなんてわかるわけないので同ブランドの「臭作」や「鬼作」と同様に、初回は深く考えずできる範囲で自由に進めて時には過去のセーブデータに戻って別のルートを進んだりしてゲームを進めていけばいいと思います。
自ずと「状況が変わったからあっちのルート分岐を試してみよう」とか次の行動が見えてくることもあります。
でもセーブデータが100か所できて内容を閲覧することができるのはいいのですが、そのデータ内で進行に必要なことを達成したかどうかはプレイヤーがメモを入力するなどして理解しておく必要があります。
セーブデータはどんどんできると思うので細かく書いておかないと後々自分が困ることになるのでそこだけは注意が必要です。
「河原崎家の一族2」はこのように、正しい道を見つけるために何度も同じ場所を進んだり新たな道を発見するのは楽しい反面、面倒に感じるので人を選ぶゲームだと思います。
同ブランドの中でもトップレベルの鬼畜行為や残酷な描写が展開されるので苦手な方は避けるかもしれません。
ただ、その辺りが許容でき耐性のある方なら先の展開が読めないスリル満点のストーリーが楽しめるので非常におすすめできる作品です。
ご購入を検討されてる場合はWindows10に対応したダウンロード完全版の一択です！
